#6 可能性は無限大
杉並湯
(杉並区)
杉並湯
新高円寺駅
9月も半ばになると、急に涼しくなる。
蝉の声が減るのは少し寂しい。台風の後、ドアを開けたら家の前に蝉の死体が3つあったのは恐怖。踏みそうだった。
とにかく過ごしやすい気候なので自転車に乗って高円寺へ。高円寺とか下北沢とかの古着屋の店員は高確率で美男美女だ。いや、美男美女に魅せているのかもしれない。セルフプロデュースが上手いのかしら。 秋服のシャツを買うつもりが、雰囲気で気づいたら薄手の綿カーディガン(チェック柄)を買っていた。あとで家に帰ってみたら、これどうやって着るねんと思うギタリストの私服みたいなのを買ってしまった。張本智和やジャルジャル福徳似の私には全く居合わなそうだが買ってしまった以上なんとかしたい。
そして知っていたが行ったことはなかった杉並湯へ。内装は、ザ・昭和の銭湯。謎に寝湯の膝下だけライトアップされているのは笑った。もちろんサウナもあり、奥に深めの水風呂があることを確認した。
サウナは遠赤外線式。これは通常温度より暑く感じる、つまり体感温度が高くなる仕組みらしい。実際、温度は85度だったが遠赤外線はプラス20度。つまり105度に感じるのだ。たしかに温度は低い分長く入れるにもかかわらず、汗はいつも通りにでる快適な空間だった。
「よし、これであの深そうな水風呂へ」
そう、これが「まさか」だったのだ。
ウキウキで水風呂だと思っていた風呂に足を入れると‥
「熱っ!え?」
まさかのただ深いだけの通常の風呂。
ええええええ、いや、大風呂と寝湯があって。その隣に小さめの風呂があればそれはもう水風呂だろおおおお、サウナあるし。(永野のクワバタオハラいたらそこはもう大阪ネタのノリ)
いや、大風呂と寝湯があってサウナもあればそこはもう水風呂だと思うだろおおおおおおおえええええええええええ嘘でしょーーーー!
やられた。だがここで諦めたらもったいない。そういえば一緒に入っていたおじさんはサウナ後どうしたんだろうと見ると、立ちシャワーで脳天から水を浴びていた。
「これだ!!!!!」
しきじの水風呂の滝の如く、
頭の先から無心で水を浴びた。
たしかに水風呂には勝てないだろう。でも、これはこれでありなんじゃないか?これが杉並流なんじゃないか?と模索。
となりのおじさん(師匠)に合わせて顔面から背中からとことんじゃぶじゃぶと水を浴びる。気持ちいい。
サウナは概念を変えてくれる。
水風呂も露天もなくても整える。整う方法は無限大。あのカーディガンもきっと着回しの可能性は無限大だと信じたい。
2019.9