週末おふろぐ

休みの日にお風呂に行った備忘録。

#22 おばちゃん

上越

(中野区)


水槽がある銭湯は珍しい。金魚たちは呼吸をしているのかお腹が空いているのか、口をパクパクしている。番台のおばあちゃんはアイスをパクパク食べていた。今日は冬なのに18°Cもある春みたいな気候だった。


大学3年の夏、友だちが住む高円寺の家に2週間ほど居候していた。そのとき小杉湯、なみの湯、上越泉の3つに毎晩通っていた。銭湯好きになった由縁のひとつでもある。上越泉はとにかく番台のおばあちゃんが優しい。「ご飯はこれからですかい」「今日は暑いね」などとにかく誰にでも話す。通いつめた友人は、高円寺の母と慕っているほどだ。そんな実家のばあちゃんのような番台さんと風呂上がりにアイスを食べるのもいいかもしれない。


さて本題の浴場。内湯はポコポコとバイブラが心地よい熱湯と17°Cの水風呂。洗い場の脇に置かれた観葉植物のヤシの木と壁の水色が相まって、開放感が気持ちいい。外には小さな露天風呂。ナノバブルを使ったきめ細かな泡風呂で湯が白く濁っている。炭酸泉ともバイブラとも違う、滑らかな湯が肌を優しく包み込む。


サウナは上下4人座れるかどうかの小部屋で100°Cと熱め。テレビも時計も無いが、ラジオが流れている。この日はバレンタインデー前日ということで、ひたすらチョコがなんたらかんたらという企画をやっていた。じっくり汗をかきながら聴覚で気を紛らわせるラジオサウナは意外と珍しいかもしれない。


サウナにハマってからは久々に訪れた上越泉。あの頃通い慣れた場所も、しばらくたってまた行ってみると、新しい発見があるのかもしれない。

 

2020.2

f:id:kkkmomoao:20200215053507j:image